ひと夜さに嵐来りて築きたる この砂山は

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ひと夜さに:一夜に、一晩に。「さ」は語調を合わせる、あるいは、字数を合わせるために使われていて、特に意味はない。

何の墓ぞも:何の墓なんだろう?

ある夜、嵐がきて風が吹きまくり、
朝になってみると、昨日までは無かった砂山が出来ている。
墓のようにも見えるけれど、だとすれば、
いったい、何の墓なんだろう。

函館の大森浜をイメージして詠った一連の歌の一つです。

広大な砂漠などでは、
風が運んできた砂が
家を埋めてしまい、長い間に部落を埋め尽くしてしまうこともあるようです。

砂に埋もれた部落や家が、
風の向きによって砂が吹き飛ばされ、
もとの姿を見せることもあります。

この歌の場合は、それほど大規模なものではなく、
海岸に出来たこんもりとした砂山、
砂紋、風紋が、風の具合によって、こんもりと盛り上がった程度のものと考えればいいようです。

2011年3月11日の東日本大震災では、
磯も、砂浜も、入江も、港も
壊滅的な被害を受けました。

津波が街を呑み込む様子や、
瓦礫の跡が繰返し、テレビに映し出されました。

地震が起きてすぐ後のこと、
仙台市荒浜海岸に300人ほどの遺体が上がった、と報道されました。

その海岸から5kmほど陸地に入ったところに、
私の妻の実家があります。

荒浜海岸にはよく行きました。

松島の少し南になりますが、
そこは、開けっぴろげの太平洋、
港もないし、ただ長い海岸線の砂浜があるだけです。

防波、防砂のための松並木が延々と続き、
目の高さよりも高い所に海水面があり、
水平線があるような錯覚を覚えるほど、
広い広い太平洋がひろがっています。

あのきれいな砂浜が、
今は、瓦礫で埋め尽くされているようです。

その瓦礫が、いくつもの墓標のように立っているかと思うと、
いたたまれない思いがします。

  
posted by GG at 14:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 函館の歌
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